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『SPACE JAM  スペース・ジャム』 意外なコラボやカバーなどサントラならではの企画がたくさん詰まったアルバム バッグス・バニーも参加(残念ながらジョーダンは不参加)(1996年作品)

概要

映画「スペース・ジャム」について

マイケル・ジョーダンが「I’m back」とNBAに復帰したのが1995年、その次の年に公開されたのが映画スペース・ジャム。ルーニー・テューンズのキャラクターたちとNBAのスタープレイヤーたちが競演した、当然だけどバスケットボールを題材にしたコメディ。映画の企画は早い段階からあったらしいけど、1993年にジョーダンが引退してしまったことで一旦お蔵入りに。でもジョーダンが復帰したことによって企画は再始動、撮影に色々苦労しながらも1996年に映画が公開された。

映画について賛否両論が飛び交ったけど、結果映画は全世界で大ヒット。興行収入は1996年で10位、バスケット映画の中では史上2位の記録(1位はなんとスラムダンク)。2021年には続編の映画も作られてて(主役はレブロン・ジェームス、まあ当然だよね)、作品の人気がうかがえる。

人気のない遊園地を盛り上げたい悪者(中の人はダニー・デヴィート)が部下に命じて、バッグス・バニー(中の人はビリー・ウェスト)をはじめとするルーニー・テューンズのキャラたちを誘拐しようとする。相手の背の低さに目をつけてバッグスはバスケットの勝負を持ちかけるけど、部下たちはバスケットボールのスタープレイヤーたちの能力を盗んでムッキムキに変身。これはヤバいってことで、バッグスはジョーダンに助けを依頼する。そんなお話。

バスケットスキルを盗まれるスタープレイヤーは、チャールズ・バークレーとショーン・ブラッドリー、パトリックユーイング、ラリー・ジョンソン、マグジー・ボーグスの5人。スキルを盗まれた後のヘロヘロな演技がみんな可愛いので見どころ。それと映画の冒頭に流れるジョーダンのスーパープレイの数々がやっぱりすごい。

実は脚本にスパイク・リーが絡む予定だったらしいけど、ワーナー・ブラザースが拒否。ジョーダンの広報役(ウェイン・ナイトが演じた)を、監督はマイケル・J・フォックスに演じて欲しかったらしいけど、これもワーナー・ブラザースが拒否。ホワイ、ワーナー・ブラザーズ!?

なにせNBAに復帰したばかりのジョーダン、制作側も気を使ってバスケットコートのセットをまるっと作ることがあったみたい。そこで撮影の合間にジョーダンは他の選手たちとトレーニングを行ってたんだって。なかなかプレミアムな特権、ジョーダンにとっても制作側にとっても。

サウンドトラックについて

サントラは6曲もシングルカットされるほどの大ヒットを記録。発売された年にダブルプラチナ認定されたんだけど、その後も売れ続けて2001年にはなんと6×プラチナ (シックスタイムズプラチナって読めばいい?)に認定されるまでに。そりゃこんな内容なら売れるって。

この頃から登場し始める”MUSIC FROM AND INSPIRED BY THE MOTION PICTURE”の文字。映画の内容に触発されて作りました、っていうホントかウソか分からない曲たち。サントラにかこつけて人気アーティストの新曲や新人アーティストのお披露目に使われて、それに釣られてホイホイ買っちゃう私たちみたいなリスナーが多かったってことよね。でもそのおかげで面白いカバーやコラボがあったりするのも事実だった。

映画音楽を担当したのはジェームズ・ニュートン・ハワード。1980年代から今に至るまで100本以上の映画音楽を担当してるジェームズ・ニュートン・ハワード。この映画と同時期の作品で言えば、「ウォーター・ワールド」とか「シックス・センス」とかがそう。70年代はソロアルバムをリリースしたり、セッションミュージシャンとして活躍してた。とても人気のある作曲家で、この映画には彼が作曲した伴奏曲のみで構成されてるスコア盤のサントラもある。

トラックリスト

  1. Seal Fly Like An Eagle
  2. Coolio The Winner
  3. Quad City DJ’s Space Jam
  4. R.Kelly I Believe I Can Fly
  5. B Real, Busta Rhymes, Coolio, LL Cool J & Method Man Hit ‘em High (THE MONSTARS’ ANTHEM)
  6. D’Angelo I Found My Smile Again
  7. Monica For You I Will
  8. Salt-N-Pepa Upside Down
  9. Robin S. Givin’ U All That I’ve Got
  10. Barry White & Chris Rock Basketball Jones
  11. All-4-One I Turn To You
  12. R.Kelly feat. Changing Faces & Jaÿ-z All Of My Days
  13. Spin Doctors feat. Biz Markie That’s The Way (I LIKE IT)
  14. Bugs Bunny Buggin’

トラックリスト詳細

③Space Jam

映画のオープニングを飾るテーマ曲

ジョーダンのスーパープレイの映像と共に流れるクワッド・シティ・DJ’sの③、今でもNBAの会場で流れてるほどの人気らしい。水泳といえばB’zのウルトラソウル、みたいなノリなのかしら。一発屋のイメージが強い彼らだけど、当時の人気は凄くてマイアミサウンドが席巻した時代だった。30年近く経ったけど今でも「C’mon N’ Ride It (The Train)」を聴くとテンション上がる、笛吹きたくなる。

④I Believe I Can Fly

アルバムからの最大のヒット曲

色んな国でチャート1位に輝いた、R・ケリーの④。本国アメリカでは全米チャートで2位、R&Bチャートでは当然1位。第40回グラミー賞でもいくつか受賞した、今でも愛されてる名曲。名曲だけどジャケットにはお金をかけなかったみたいで、サントラと同じジャケットにR・ケリーを無理やり合成したお粗末なもの。おかげでハゲが二人並んで何だか怖い、とても美しいバラードの曲だなんて思えない。

①Fly Like An Eagle ②The Winner ⑧Upside Down

渋い選曲のカバーや超有名曲をサンプリング

スティーブ・ミラー・バンドが1976年にリリースした曲を、20年後にシールがカバーした①。ギターはナイル・ロジャースで、キーボードはディアンジェロが演奏。スティーブ・ミラー本人もお気に入りのカバーらしく、めちゃくちゃカッコいい。シングルカットされて全米チャートで10位の記録。

カーティス・メイフィールドが作詞作曲して、1967年に発表されたインプレッションズの曲がオリジナル。それをまるっとサンプリングしたクーリオの②。とてもポップな仕上がりで、「Gangsta’s Paradise」のイメージがあったからギャップにビックリさせられた。良い曲だけど映画には使用されず。

次も1980年のソウルクラシックからで、ダイアナ・ロスがオリジナルの⑧。タイトル見ただけで分かる人も多いくらいの、言わずと知れた有名な曲。プロデュースは①も手掛けたラシャド・スミス。バッド・ボーイ・レコード所属のプロデューサーらしく、大ネタ使いはお得意な様子。

⑤Hit ‘em High (THE MONSTARS’ ANTHEM) ⑩Basketball Jones ⑬That’s The Way (I LIKE IT)

サントラらしいコラボ企画

モンスターズ・アンセムとあるように、映画に登場する5人組の悪役モンスターのテーマ曲⑤。当然参加ラッパーも5人で、一番モンスターっぽいのがバスタ・ライムズ。シングルカットされてミュージックビデオも作られたけど、残念ながら本国アメリカではヒットせず。でもイギリスをはじめ、他の国ではそこそこのヒットを記録。もうちょっとミュージックビデオを凝って作ってたら売れたかも。プロデュースはトラック・マスターズ。

バリー・ホワイトとクリス・ロックがコラボした、実はカバー曲の⑩。たしかバークレーが途方に暮れてるシーンで流れてた記憶。オリジナルは「Cheech and Chong」というアーティスト、コミックソングを歌う人たちみたい。泉山真奈美先生のスラング辞典によると、ジョーンズは「無我夢中で恋をする気持ち」を表すスラング、つまりはバスケットボールへの愛を歌ってるってこと。

次も有名な曲のカバーだけど、妙な取り合わせの⑬。KC・アンド・ザ・サンシャイン・バンドの1975年のヒット曲を、スピン・ドクターズとビズ・マーキーがコラボ。アーロン・ネヴィルの息子、アイヴァン・ネヴィルがキーボードで参加。このヨレヨレでゆるゆるなボーカルが妙に耳に残る。

⑦For You I Will ⑪I Turn To You

稀代のメロディーメイカーとプロデューサーが参加

ダラス・オースティンに見いだされたモニカ。1995年のデビューアルバムがヒットして、人気に火が付いたタイミングでのサントラ参加。ダイアン・ウォーレンが曲を書いて、デヴィッド・フォスターがプロデュースという最強布陣の⑦。当然シングルカットされて、全米チャートで4位という大ヒットを記録。当時はまだ15歳のモニカ、ミュージックビデオの姿もやっぱり幼くて可愛い。

コーラスグループブームに乗って、ヒット曲を連発してたオール・フォー・ワンによる⑪。こちらもダイアン・ウォーレンが曲を書いて、泣く子も黙るジャム&ルイスがプロデュース。当然ヒットしそうな雰囲気の中でシングルカットされたけど、なぜか全くヒットしなかった曲。アーティスト側とレーベル側でシングルカットするしないで揉めたみたいで、なんだか不幸な境遇の曲。でも後にクリスティーナ・アギレラがカバーしたおかげで、日の目を見ることになる。もはやアギレラがオリジナルって思われてるんじゃなかろうか。

⑥I Found My Smile Again

サントラではお馴染みのカリスマアーティスト

この頃は頻繁にサントラへ楽曲提供してたディアンジェロの⑥。当時はこんなに偉大なアーティストになるなんて思ってもみなかったけど、今や私も彼を神と崇める信者の一人。やけにイントロが長い曲だから、ラジオ用のエディットヴァージョンも存在する。個人的な感想だけど、なんかカバー曲っぽくない?ディアンジェロにしてはすごくポップ。

⑨Givin’ U All That I’ve Got

アルバム中唯一のハウスミュージック

R&Bナンバーが並ぶアルバムで、唐突に鳴り響くハウスにちょっとびっくりする⑨。ロビン・Sが久しぶりの新曲で参加。ファーストアルバムはジュニア・ヴァスケスやデヴィッド・モラレスといったプロデューサーが参加してたけど、この曲もハウスDJの雄であるトッド・テリーがプロデュース。

⑫All Of My Days

R・ケリー名義だけど全然歌ってない

フィーチャリング扱いになってるチェンジング・フェイシスだけど、ほぼメインで歌ってる⑫。後にチェンジング・フェイシス名義でシングルリリースされてて、そのミュージックビデオではセクシーな二人とぼーっと突っ立ってるR・ケリーが見られる。なんで最初から彼女たちの名義でリリースしなかったのか謎。

⑭Buggin’

実は豪華な制作陣による楽曲

アルバムのトリを飾ってる、映画の主人公のひとり、バッグス・バニーがラップする⑭。映画音楽を担当した作曲家のジェームズ・ニュートン・ハワードが曲を書いて、リリックをなんとジェイ・Zが担当してる。バッグスのほかに、ルーニー・テューンズではお馴染みのダフィー・ダックとポーキー・ピッグも参加。映画の主人公が歌ってるにもかかわらず、映画の本編には使われず。

最後に

最近90年代の映画の続編やリメイクが多く作られてて、90年代を愛するものとしては嬉しい限り。90年代のCDのリイシューも時々見かけるようになってきたし、そろそろサントラもどうかなって期待してる。作品を盛り上げるために続編の映画も見てみようかな、アルバムのリイシューにつながるか分かんないけど。

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