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『アーティストとアイウェア(レイバン編)』 ミュージシャンや俳優だけじゃなくアメリカ大統領までもが愛用するレイバン サングラスを語る上では外せないマスターピースが存在するブランド

映画の登場人物やアーティストたちの影響で、その人が身に着けてたモノがヒットするってのはよくある話。そのアイテムのひとつで、歴史上たびたび名前が挙がってきたのが、レイバンのサングラス。1997年の映画「メン・イン・ブラック」でもプレデターモデルが売れまくってたけど、ウィル・スミスやトミー・リー・ジョーンズだけじゃなく、サングラスをかけてる主人公やアーティストなんて数えきれないくらい存在してるし、彼らを真似したくなる気持ちもよく分かる。

概要

ブランドの概略

ブラックカルチャーにおいてはカザールやカレラの方がブランドとして人気は高いけど、世界的な知名度でいうならダントツでレイバン。サングラスをかけない人でも名前は知ってるであろうブランド、それがレイバン。ネットでもレイバンについて書かれてる記事は山ほどあるし、どの眼鏡屋さんにいってもレイバンのサングラスは置いてたりする。

ボシュロム社が開発

今は買収されてイタリアのブランドになってるけど、もとはコンタクトやアイケア製品で有名なアメリカのボシュロム社のブランド。飛行中にあびる強烈な太陽光線をどうにかしてほしいっていうアメリカ軍からの依頼から、パイロット用のサングラスの開発を始めたボシュロム。それまでもサングラスは存在したけど、眩しさをごまかすだけで紫外線まで遮る効果はなかったらしい。

アメリカ陸軍航空隊が採用

顕微鏡とか望遠鏡とかも作っていて、光学分野も得意だったボシュロム。そんなボシュロムが6年の歳月をかけて完成させたサングラスが、今もマスターピースとして名高い人気モデルのアビエーター。そのアビエーターが1930年にアメリカ陸軍航空隊(まだ空軍は存在してなくて当時は陸軍の部門のひとつ)に公式に採用されたことで、パイロットとサングラスの切っても切れないような関係が出来上がっていく。

ルックスオティカが買収

1986年にはアメリカン・ファッション・デザイナー協議会から「世界最高級のサングラス」の称号をもらってるけど、色々紆余曲折あったレイバン。最高級と言いながら日本では円高の影響でかなりの低価格で売られてた時代があったり(今もサングラス業界の中では買いやすい価格帯)、品質管理もうまくできなかったりで(ボシュロム社は開発は得意だけどブランドコントロールは苦手だった様子)、とうとう1999年にルックスオティカに買収されることになる。

マニアから言わせると、ルックスオティカになってからレイバンは別ブランド扱いされてるレベル。まず生産国がアメリカじゃなくなったことが大きな原因のひとつ。マニアにとって生産国って一番大事、わたしもすごくこだわるのでよく分かる。イタリア産のレイバンってちょっとイメージ違うし、中国産のレイバンにいたってはもう偽物感しかない(正規品らしいんだけどね)。

それからルックスオティカは新しいモデルをどんどん発表していったけど、昔からの無骨でクラシカルなイメージとはちょっと違うデザインが多かった。超人気モデルのウェイファーラーを廃盤にして、ニューウィファーラーって名前のモデルを新しく作ったけど、デザインが少し変えられていて昔からのファンには不評だった。結局今ではウェイファーラーも復活してて、どっちを選べば良いか困ってる人は多そう。

ルックスオティカにネガティブなイメージを持つ人も多いけど、ブランドイメージの再構築を図ってレイバンの危機を救ったのは事実。今もレイバンが買えるのはルックスオティカのおかげだけど、でもボシュロム時代のメイド・イン・USAの頃のモデルの方が人気なのも事実。

レイバンの人気モデルたち

アビエーター

レイバンが最初に開発したマスターピース

前述したようにアメリカ軍からの依頼から作られたサングラスで、一般発売されるようになったのは1937年。それ以降、不朽の名作として地位を確立してるモデル。ボシュロムが光学と力学に基づいて、試行錯誤しながらたどり着いたデザインはとっても機能的。見た目からティアドロップって呼ばれたりもしてるけど、この形は人間の目の動きと同じ範囲をカバーして最大限の視野を確保するためって理由がひとつ。それと操作中の衝撃とか諸々の負荷を、吸収して全体に分散するためって理由もある。

アビエーターといえば

発売当時から人気があってファッションアイコンとしての地位もとっくに確立してたけど、トム・クルーズが1986年の映画「トップガン」で着用してたのがきっかけで世界的に知名度が一気に上がったっていうのが通説。でも実は映画でかけていたのは、レイバンじゃなくてアメリカン・オプティカルのサングラスだったなんて話もある。

2022年に公開された続編の「トップガン マーヴェリック」ではちゃんとレイバンをかけてて、公式にマーヴェリックモデルのアビエーターも発売されてる。型番はRB3025-W3400-S58、レンズカラーはレイバングリーンと呼ばれる「G-15」。定番のRB3025のサイズ58と同じじゃない?と思われるかもだけど、レンズに入ってるレイバンのロゴカラーがめっちゃ薄いのが違い。映画では消えてるレイバンのロゴ、それに近づけるように限りなく薄くしたそうな。

愛用してるアーティストはたくさんいるけど

ブラックミュージックのアーティストで思いつくのは、やっぱりマイケル・ジャクソン(サングラスの話になるとマイケルはよく登場する)。今や伝説みたいになってる1993年のスーパーボールでのハーフタイムショーで魅せた、約1分半の仁王立ちの時にかけてたのもアビエーター。ちなみに衣装は、その頃に行われていたデンジャラス・ワールド・ツアーで着てたモノ。サングラスとミリタリージャケットっていう姿は、ステージ上だけじゃなくて色んなところで見かけた記憶。マイケル・ジャクソンがお気に入りだったモデルも同じくRB3025。最近では映画「ビバリーヒルズ・コップ:アクセルF」でエディ・マーフィーもRB3025をかけてた、アビエーターといえばRB3025って感じ。

余談だけど

アビエーターの説明の時に必ず登場するのがダグラス・マッカーサーと渡哲也。若い世代には全然ピンと来ないだろうけど、おじさんおばさん世代にはよく伝わる。わたしもアビエーターと言えば、このふたりが真っ先に浮かぶ。なので言っちゃ悪いけど、アビエーターっておっさんがかけるイメージ。映画「トレインスポッティング」でベグビーがRB3026(レンズが大きいモデル)をかけてたけど、やっぱりおっさんだった。

ウェイファーラー

世界中のセレブが愛用したモデル

1952年に発売されて以来、サングラスの定番となったモデルがウェイファーラー。50年代から60年代あたりがレイバンの第一次黄金期で、ボブ・ディランやアンディ・ウォーホルが愛用してたり、ジェームス・ディーンがウェイファーラーをかけて映画に出演してた。ちなみにオードリー・ヘップバーンが映画「ティファニーで朝食を」でかけてたのは、レイバンじゃなくてオリバー・ゴールドスミス。アメリカ大統領のケネディもウェイファーラー型サングラスをかけてたけど、あれはアメリカン・オプティカルのサラトガ。バイデンやブッシュ(息子の方)はレイバン派、オバマもRB3217をかけてる姿はよく見られてた。

プロダクト・プレイスメントが功を奏したレイバン

ウェイファーラーの人気に火が付いたのは映画「ブルース・ブラザーズ」のヒットによる、なんて言われることもあるけど違う。本当は1982年から1987年の間に、プロダクト・プレイスメントっていう手法をレイバンが選んだのがきっかけ。プロダクト・プレイスメントは、映画やドラマの中で小道具や看板に実在する企業や商品を登場させる広告手法で、日本でもたくさん行われてる(アニメ「天気の子」の事例がとてもわかりやすい)。

さまざまな俳優のブレイクを手助けしたウェイファーラー

映画「青春白書(原題:Risky Business)」で、劇中やポスターでトム・クルーズがかけてたウェイファーラーが大ブレイクしたのが1983年(ちなみにワイシャツ&ブリーフ姿でダンスを披露したトムもこの映画で大ブレイク)。70年代の不況と不人気のせいで、レイバンの倉庫でほこりをかぶってたウェイファーラーの在庫が一気になくなって、売り上げも20倍に激増。後にトップガンでもお世話になったトム・クルーズに、80年代のレイバンは頭が上がらなかったに違いない。

翌年には「特捜刑事マイアミ・バイス」でドン・ジョンソンが、1985年には「こちらブルームーン探偵社(原題:Moonlighting)」でブルース・ウィリスがレイバンをかけて登場。共に大ヒットしたドラマで、ドン・ジョンソンもブルース・ウィリスも一気に人気俳優の仲間入りを果たした作品。着々と売り上げを重ねていったレイバン、ついに1986年に映画「トップガン」が公開されて人気が定着することになる(今でも人気のあるモデル「クラブマスター」が発売されたのもこの年)。

人気のモデルはRB2140

ウェイファーラーにも(ニューウェイファーラーも含めて)いくつか型番はあるんだけど、定番モデルはRB2140。色んな映画やミュージックビデオでアーティストがかけてるのを見る。個人的にはテイラー・スイフトが「22」のミュージックビデオでウェイファーラーをかけてる姿が好き、シンプルに可愛い。マイケル・ジャクソンもウェイファーラーはよくかけてた。

型番の後に「F」がついてるのはアジアンフィットモデルってやつ、ノーズパッドやテンプルの傾斜がインターナショナルものとは違う。ちなみに第一世代のウェイファーラーは、今のモデルとは違ってテンプルが細いらしくて、写真で見たことあるけどカッコ良かった。60年代初頭に発売された第二世代以降から今の太さのテンプルになったそうな。ヴィンテージを狙うならそれもいいかも。

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クラブマスター

クラシカルで知的なイメージのクラブマスター

1986年にリリースされたクラブマスターは、クラシカルな雰囲気で今も人気のモデル。このタイプのフレームに知的なイメージがあるのは、今まで着用してきた人物によるところが大きいかも。一番印象が強いのは、やっぱりマルコム・X。でも彼が着用していたのはレイバンじゃなくてアメリカン・オプティカルのもの(オードリーの場合もそうだけど、レイバンのネームバリューが強すぎて何でもレイバンのものになっちゃいがち)。今もマルコムXモデルとして販売されてて、ビンテージだと10万円を超えるお値段。

映画「レザボアドッグス」の登場人物はほぼ全員がサングラスをかけてるけど、その中でレイバンのクラブマスターをかけてるのがティム・ロス。この作品はティムの出世作なんだけど、レイバンをかけるとブレイクする、みたいな都市伝説があったんじゃなかろうか。

ブラックカルチャー界隈ではあまり人気のないレイバンだけど、ネプチューンズのファレルは(お気に入りなのか広告なのかは不明だけど)よくかけてるのを見る。ウェイファーラーもアビエーターも似合ってるけど、このクラブマスターが彼の知的なイメージに合っててとても素敵。

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プレデター

メン・イン・ブラックで大ブレイクしたプレデター

レイバンのモデルでは珍しいハイカーブのモデル。90年代に大流行したオークリーを意識したであろうデザインかと思いきや、レイバンが1968年にリリースした「Balorama」というモデルとそっくり。すでにこの手のハイカーブもののサングラスも、レイバンが先に作ってたなんてさすがだわ。

映画「メン・イン・ブラック」で使用されて大ヒット、ウィル・スミスが歌う曲の歌詞にも「Black suit with the black Ray-Bans」とレイバンの名前が登場してる。当然のようにメン・イン・ブラックモデルも発売されてた、今でもオークション系とかのサイトでも見かける。

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ジャジョ

ジャニス・ジョプリンをイメージして作られたジャジョ

ジャジョってネーミングセンスすごいよね、無理やり縮めなくてもいいのにって思う。ルックスオティカになってから発売されたモデルで、昔なら絶対なかったであろう完全なラウンドタイプのサングラス。誰が愛用してるとかの情報はなし、特に話題にもならなかったし人気のモデルでもないけど、個人的にカワイイと思ったので掲載してみた。テンプルのお尻のデザインが特徴的。

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最後に

現在もリーディングカンパニーとして存在してるレイバン、最近ではリバースコレクションというラインをリリースして話題に。今までは凸型が当たり前だったレンズを、人の骨格に合わせて(目のあたりの骨格の凹みに合わせて)レンズも凹型にしたモデル。今までは技術的に不可能だったらしいんだけど、レイバンの持つビッグデータを駆使して開発に成功したそうな。凹型のレンズによって、目に与えられる影響が色々軽減されるとのこと。お店で試着してみたけど見た感じも付け心地も、完全に今までとは違う。ブランドの歴史がサングラスの歴史、といわれるだけあるレイバン。この凹型レンズが、ひょっとしたら新しいサングラスのカタチになっていくのかも?。

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